ハリウッドスターや海外セレブ、国際結婚組が婚姻手続きの際に行う「プレナップ」(婚前契約)
離婚率が高く、結婚=契約という捉え方が浸透している西洋社会ではプレナップを作成するカップルが多く、近年では日本でも少しずつ知名度を上げてきました。
離婚を予想して結婚するカップルはいないと思いますが、日本でも3組に1組が離婚をする時代です。自分にその現実が降りかかる可能性はゼロではないのです。
共同生活をスタートさせる前に、お互いの意思を確認し合う「プレナップ」は海外だけのものではなく、現在の日本にも必要なものなのではないでしょうか。
より良い結婚生活を送るため、プレナップの重要性や内容になどについてお伝えしたいと思います。
プレナップとは
プリナップとは、「Prenuptial agreement(プレナプシャルアグリーメント)」の略で、日本語では「婚前契約書」と呼ばれています。
夫婦生活に関する様々な事柄(仕事や家事の分担、ライフスタイルなど)を婚姻届を出す前に取り決めることで、幸せな結婚生活を目指そうというのが狙いとされています。
(出典:http://headlines.re-date.net/column/rikonpuritai.html)
ポイントは「婚前」に契約を交わすこと。
日本の民法では「夫婦間の契約はいつでも取り消せる」という決まりがあるので、結婚生活をスタートさせる前に2人の生活のルールについて話合い、書面に残しておかなければなりません。
プレナップの内容
- 互いの親戚との付き合い方
- 婚前に築いた財産の使い道・管理方法
- 生活費・共同財産の管理方法
- 互いの給与明細の開示
- 不貞行為が発覚した時の慰謝料の金額
- 家事・育児・介護の分担
各夫婦によりプリナップに記載する内容は様々ですが、主に上記で上げた内容が盛り込まれます。
国際カップルであれば、「将来の住居地」なども確認しておきたい項目ですね。
プリナップの一般化は離婚率の高さからか?
プリナップと聞くと、お金持ちの海外セレブやハリウッドスターがするもの、というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
しかし、一般庶民にもプリナップという言葉が定着しつつある背景は、日本だけでなく諸外国にも見られる離婚率の高さからなのでしょう。
日本では約35%、私たちが住むオーストラリアでは約40%、アメリカで約は50%の夫婦が離婚をします。世界一離婚率の高い国はベルギーの約70%!
日本の田舎町では世間体を気にするためか、愛情は消滅しているのにもかかわらず、我慢をしながらも婚姻関係を続ける夫婦が多い印象にあります。
今後、古い考え方が淘汰していく過程で日本の離婚率は上昇していくのではないでしょうか。
そこで大切になるのがプリナップの存在というわけです。
口頭ではうやむやになりがちな共同生活の約束事を明確化し、離婚や別居などを避ける効果があります。
さらに、万が一、離婚や別居にいたったとしても、プリナップがあるのとないのとでは、その後の手続きや処理の進捗スピードはかなりの相違があるでしょう。
プレナップの種類
大きく分けて、「法的効力があるもの」「法的効力がないもの」の2つに分類されます。
法的効力があるもの
公正証書で作成したプリナップには法的効力があります。(公正証書=公証役場で公証人が作成する公的な書類)
日本では行政書士・弁護士への依頼が一般的です。
慰謝料については、不法行為についてのみ設定が可能であり、「結婚記念日には一緒に食事をする」という約束が破られたからといって、慰謝料請求の対象にはなりません。
法的効力がないもの
当事者同士が話合い書面に残しておく「覚書き」的なものです。
法的効力は期待できませんが、結婚前にお互いの価値観を冷静に見定めることができる機会は持つべきでしょう。
私たちのプレナップ
私と同居人は法律婚ではなく事実婚の関係です。
育った環境も文化も価値観も異なるマレーシア人のパートナーなので、同居する前に「共同生活のルール」の覚書きは作成しました。
覚書きには法的効力はありませんが、大きなトラブルやケンカをすることなく過ごせています。
私たちは、
「生活費は折半」
「〇万ドル以上の買い物は支払い前に報告する」
「お互いの里帰りには同行しなくてもいい」
「別居に至った際は彼が出ていき、私が現在住んでいるアパートに住む」
「仕事関係の人たちとのパーティやミーティングには同行しなくてもいい」(彼が個人事業主なので)
などを決めました。
お金のことと、別れた時にどうするかに加え、各自の理想のライフスタイルを同居生活の中で作っていくにはどうすればいいか、についても話しました。
まとめ
幸せな未来が待っていると浮かれ気分の婚約期間に、将来に起こる可能性があるトラブル対策のためにプリナップを作成することは気が進まない、、、と感じるかもしれませんね。
しかし、
「病めるときも健やかなる時も~」
そんなざっくりとした言葉で永遠の愛の決意表明はできません。
入籍前にいったん冷静になり、恋愛期間には話しづらかった「お金のこと」「家事分担のこと」といった現実的なことを話合う機会を持つことは必要なのではないでしょうか。